「YouTubeから著作権の申し立ての連絡がきた…何かアクションは必要?」
「どのような時に著作権侵害になるの?」
「YouTubeで使える著作権フリーの音楽サイトはある?」
このように、YouTubeの著作権について疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
YouTubeはビジネスでも活用しやすいSNSですが、著作権については慎重にならなければなりません。
他人の著作物を侵害した場合は、YouTubeの運営や収益などに影響が出るケースもあるので要注意です。
今回は、YouTubeの著作権侵害になるケースや罰則、対処法などを詳しく解説します。
この記事を監修するのは、登録者数117万人の自社YouTubeアカウント『あるごめとりい』を運営する編集部です。
YouTubeの著作権について
そもそも著作権とは、著作物を制作した人の意思を守り、他人の利用を制限するための権利です。
具体的には、無断で著作物を利用したり複製したりできないように制限できる他、利用してもよいが条件をつけることなども可能です。
著作物の代表的なものは、音楽やアニメ、画像や映像、小説などがあります。
著作者の思想や感情などの世界観を反映した、オリジナルの創作物です。
また、YouTubeと関係の深い著作者の権利は、以下の通りです。
- 複製権 : 著作権の音楽や画像、印刷などの著作物を自由にコピーする権利
- 公衆送信権 : インターネットや放送、有線放送などで著作物を送信する権利
- 同一性保持権 : 著作物の内容やタイトルが、著作者の意に反して編集・変更されない権利
- 上映権 : パソコンや映写機などを使い、ディスプレイやスクリーンに映し出す権利
- 頒布権 : 公衆に著作物を貸与・譲渡できる映画の著作物特有の権利
YouTubeで著作権侵害になるケース4つ
YouTubeでは、具体的にどのような場合に著作権の侵害となるのでしょうか。
YouTubeを始めて間もない場合は、悪意なく他人の著作物を使用してしまう人も少なくありません。
ここでは、よくある著作権侵害になるケースを4つ解説します。
- 著作権のある音楽を許可なく使用
- 他人の動画を無断で転載
- 映画やテレビの映像を無断で利用
- 漫画・アニメコンテンツを無断利用
1. 著作権のある音楽を許可なく使用
音楽制作会社やアーティストに帰属する音楽を無断で使用すると、著作権の侵害になります。
たとえば、カラオケの音源やダウンロード配信用の音源、CD用の音源などを使った場合です。
ただし、YouTubeは著作権を管理する組織であるJASRACと利用許諾契約を結んでいます。
そのため、一定条件を満たせば、承諾なしに音楽を利用することが可能です。
2. 他人の動画を無断で転載
動画が作成されると、投稿者に複製権や公衆送信権が発生します。
引用や私的に、他人の動画を利用する分には問題ありませんが、無断でYouTube上に転載するのは著作権の侵害です。
他人の動画を編集して投稿した場合も、同一性保持権の侵害にあたります。
3. 映画やテレビの映像を無断で利用
映像制作会社の著作物を無断で複製したり編集したりして、YouTubeに投稿することはできません。
テレビの映像は、生放送以外は映画の著作物として取り扱われ、複製権や上映権、頒布権、公衆送信権などの権利があることが特徴です。
静止画であっても同様で、無断で切り抜き動画やまとめ動画を作ると著作権に引っかかります。
また、映像や画像を改ざんした場合は、同一性保持権をはじめ、さまざまな権利を侵害する可能性が出てきます。
4. 漫画・アニメコンテンツを無断利用
アニメのイラストを無断で使って動画を作成すると、著作権の侵害にあたります。
本の一部やセリフを使って、考察やネタバレをするのもNGです。
ただし、引用する形で著作物を使う場合は、侵害にならないケースもあります。
著作権法の第32条では、他人の著作物の引用について下記のように定めています。
公表された著作物は、公正な慣行に合致する方法により、報道、批評、研究など引用の目的上正当な範囲内で行う場合には、許可なく引用して利用することができる。
公益社団法人著作権情報センターより引用
著作物を引用する際には、引用部分を自身の著作物と区別する他、あくまでも自分の著作物がメインであること、引用元を明示するなどの条件があります。
YouTubeで著作権を侵害するとどうなる?
著作権を侵害すると、YouTubeから通知がきます。
内容的には、以下の2パターンです。
- 警告
- 申し立て
ここでは、著作権侵害による「警告」と「申し立て」の違いと、どのような罰則や処理があるのかを解説します。
1. 警告
YouTubeから著作権侵害の警告の通知が届いた場合は、著作物を使用した動画が削除されます。
著作権保持者から、法的に有効な動画削除の依頼があったということです。
加えて、警告を受けた際には回数によって制限や罰則が変わってくることが特徴です。
事前警告
著作権侵害の警告を初めて受けた場合で、意図的でないポリシー違反に関しては「事前警告」にとどまります。
その場合、ポリシーに関するトレーニングを受講して著作権について学ぶ必要がありますが、受講後90日で事前警告は失効します。
ただし、悪質な嫌がらせ行為を1度でも行った場合は、事前警告なしでチャンネル停止になる可能性もあるためご注意ください。
1回目の警告
事前警告が発行された後、90日以内に同じポリシーに違反したコンテンツが見つかった場合、チャンネルに対して違反警告が発行されます。
1回目の警告を受けると、動画のアップロードやライブ配信、再生リストの作成や編集などが1週間利用できません。
スケジュールを設定したコンテンツも非公開設定となるため、制限が解除された後に再度スケジュールを設定する必要があります。
2回目の警告
初めて著作権侵害の警告を受けた後、 90 日以内に再度警告を受けると、さらなる制限が課せられます。
2回目ということで、2週間コンテンツを投稿できません。
3回目の警告
90 日以内に3回目の警告を受けた場合は、すべての動画の削除、関連アカウントの停止となり、新たにチャンネルを開設できなくなってしまいます。
YouTube パートナー プログラムの参加者に限っては、7日間の猶予期間があることが特徴です。
警告についてより詳しく知りたい方は、YouTubeヘルプの専用ページをご確認ください。
2. 申し立て
著作権侵害の申し立ては、YouTubeの著作権自動管理システムによるContent IDを通して行われます。
著作者が直接申し立てているわけではありません。
何度申し立てを受けても、アカウントが停止されることはないことが特徴です。
著作権の申し立てがContent IDにより発行された場合、著作者は下記の3つの処理オプションから選択できます。
- 対象動画のパフォーマンスを追跡する
- 対象動画を国単位でブロックする
- 対象動画に広告を掲載して収益化する
申し立てた人が収益化を選択した場合は、収益をユーザーと分配することも可能です。
多くの場合、著作者は動画のパフォーマンスの追跡や収益化を選択します。
YouTubeの著作権侵害「警告」の解除方法
「YouTubeから著作権侵害の警告がきたけれど、解除できる?」という疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、YouTubeの著作権侵害における警告の削除方法を下記の3つに分けて解説します。
- 約3ヶ月間待つ
- 撤回の依頼をする
- 異議申し立てを行う
1. 約3ヶ月間待つ
著作権侵害の警告には有効期限があります。
90日間経つと、自動的に警告が解除されることが特徴です。
1回目の警告の場合は、ポリシーに関するトレーニングを受講することで、90日後には解除されます。
2. 撤回の依頼をする
著作者は、削除通知を撤回することができます。
そのため、問題が解決した場合は、警告の撤回のリクエストも可能です。
3. 異議申し立てを行う
著作権の侵害に当たらないと思われる場合で、動画が削除された場合は「異議申し立て」が行えます。
YouTubeに対して動画の復元を要請でき、法的効力があります。
異議申し立ての通知の作成方法は、以下の通りです。
- YouTube Studioを開く
- 「コンテンツ」を選ぶ
- 「動画」→「著作権申し立て」をクリック
- 対象動画を選ぶ
- 「制限」の「異議申し立て」にカーソルを合わす※「削除」の表示が出る場合は、削除通知の対象という意味
- 「詳細を表示」をクリック
異議申し立て通知が作成できたら、YouTube Studioから以下のステップで送信できます。
- 削除された動画をYouTube Studioで探す
- 「以下のコンテンツが動画内で検出されました」→「アクション」をクリック
- 「異議申し立て通知を送信する」をクリック
- 要件を読み、連絡先などを入力する
- 異議申し立ての理由を記載して同意する
- 署名・氏名を記載→「続行」→「送信」
また、著作権の侵害以外の理由でコンテンツの削除や利用停止になった場合でも、心当たりがない場合は同様に異議申し立てを行うことができます。
詳しくは「YouTubeが垢BANされた!アカウントの復旧方法と予防策」の記事をご覧ください。
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YouTubeの著作権の申し立ては無視できる?
著作権の申し立ての連絡はメールで通知され、初めて受け取った時には焦る人も多くいます。
しかし、以下のような内容の場合、申し立ては無視しても問題ありません。
- 著作権所有者が動画について申し立てたが、パフォーマンスの追跡、または収益化が選択されている
- 問題が発生しているわけではないため、アカウントの状態への影響はない
- 対応は不要で動画の削除の必要もない
申し立ては、Content IDにより自動的に送られてきているだけなので、特に対応は必要ありません。
YouTubeの著作権に引っかからない方法3つ
YouTubeでアカウントを運用するにあたり、他人の著作権を侵害しないためにはどうすべきなのでしょうか。
複数の警告を受けるとYouTubeアカウントが使用できなくなる可能性もあるため、他人の著作物を使用する場合は、慎重に検討しなければなりません。
ここでは、YouTubeの著作権に引っかからない方法を3つ解説します。
- ロイヤリティフリー音楽や素材を使う
- オーディオライブラリを利用する
- 著作者に使用許可を取る
1. ロイヤリティフリー音楽や素材を使う
完全無料で使用できる音楽はもちろんですが、ロイヤリティフリーの音楽を使うのもおすすめです。
ロイヤリティフリーの音楽は、ライセンス料を支払うことで、その後は自由に著作物を利用できます。
ただし、著作権フリーやロイヤリティフリーの音楽を使う場合でも、サイトによって規約が異なるので、よく確認することが大切です。
2. オーディオライブラリを利用する
YouTubeの標準装備であるオーディオライブラリには、著作権使用料が無料の音楽も多くあるので、安心して利用できます。
ただし、ライセンスが適用される音楽は帰属表示が必要となるので、注意しましょう。
3. 著作者に使用許可を取る
どうしても使いたいイラストや画像、動画などがある場合は、著作者にDMなどで直接連絡を取るのも一つの手です。
使用許可が取れれば問題なく素材を使用でき、著作権侵害で訴えられることもありません。
YouTube用著作権フリー音楽サイト5選
YouTubeの著作権問題で、多くの人が悩むのが音楽の利用に関してです。
申し立てや警告が届く理由も、多くの場合は音楽の使用が原因と言えます。
最後に、YouTube上で安心して使える著作権フリーのおすすめ音楽サイト・サービスをご紹介します。
- YouTubeオーディオライブラリ
- 甘茶の音楽工房
- 音楽の卵
- 魔王魂
- DOVA-SYNDROME
また、「著作権フリー」という言葉に関しては、無料で使えるが著作権は手放していない場合や完全に著作権がない場合など、さまざまな意味を持つケースがあります。
ここでは、著作権フリー=著作権に引っかからないという意味として解説します。
1. YouTubeオーディオライブラリ
YouTubeオーディオライブラリは、公式サイトが提供する音楽サービスのため、安心して利用できます。
BGMや効果音の種類も多く、完全無料です。
商用も可能なので、企業チャンネルでも著作権に引っかかる心配がありません。
ただし、ライセンスが適応される音楽に関しては、帰属表示が必要なケースもあります。
サービス名 | YouTubeオーディオライブラリ |
商用利用 | 可能 |
料金 | 完全無料 |
帰属表示 | ライセンスが適応される音楽は必要 |
URL | https://www.youtube.com/audiolibrary |
2. 甘茶の音楽工房
YouTubeで「甘茶の音楽工房」の音楽を使用する際には、コンテンツID登録をしないことが条件です。
ID登録すると、他のユーザーが同じ音楽を使用した際に警告が出てしまうため、このような条件が設けられています。
「ほのぼの」「シリアス」など、イメージに合わせて音楽を選べることが嬉しいポイントです。
サイト名 | 甘茶の音楽工房 |
商用利用 | 可能 |
料金 | 完全無料 |
帰属表示 | 任意 |
URL | http://amachamusic.chagasi.com/ |
3. 音楽の卵
オリジナルの楽曲は500曲以上、クラシック音楽は200曲以上、すべて無料で利用できます。
帰属表示の義務がないため、手軽に自社チャンネルで使用しやすいと言えるでしょう。
また、目的に合わせてエフェクトを入れたり音量を調整したりすることも可能です。
サービス名 | 音楽の卵 |
商用利用 | 可能 |
料金 | 完全無料 |
帰属表示 | 必要なし |
URL | http://ontama-m.com/ |
4. 魔王魂
「魔王魂」は、プロの人気作曲家が作った高品質な音楽が無料で利用できるサイトです。
多くのYouTuberが利用しているサイトで、BGMとして使いやすい曲が多くあります。
また、有料にてオリジナルソングの作曲依頼を行うことも可能です。
サービス名 | 魔王魂 |
商用利用 | 可能 |
料金 | 完全無料 |
帰属表示 | 可能な限り表示 |
URL | https://maou.audio/category/bgm/bgm-piano/ |
5. DOVA-SYNDROME
「DOVA-SYNDROME」は、15,000曲以上の音楽をそろえるロイヤリティフリーのサイトです。
キーワードによって音楽が検索できるため、目的に合った1曲が見つかります。
基本的には帰属表示は不要ですが、著作者が別途利用条件を設けていることがあるため、事前によく確認しましょう。
サービス名 | DOVA-SYNDROME |
商用利用 | 可能 |
料金 | 完全無料 |
帰属表示 | 著作者による |
URL | https://dova-s.jp/ |
まとめ
YouTubeの著作権について、押さえておくべきポイントを解説しました。
今回の記事を要約すると、以下の通りです。
- YouTubeで著作権を侵害すると警告、または申し立ての通知がくる
- 初めて警告を受けた際にはポリシーに関するトレーニングを受ける必要がある
- 警告を3回受けた場合は関連アカウントの停止措置が取られる
- 申し立ての場合は通知を無視しても問題ないケースが多い
- YouTubeのオーディオライブラリや著作権フリーの音楽サイトの利用がおすすめ
BGMや効果音をはじめとしたさまざまな素材は、YouTube動画の完成度を高めるために、積極的に利用したいものと言えます。
オーディオライブラリや各素材サイトの規則を守りながら、著作権を侵害しないよう注意して、YouTubeアカウントの運営を行いましょう。
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