pamxy代表の西江です。
今回はANYCOLORのIR分析をもとに、IP(知的財産権)の未来について考察していきます。
また、日本が世界で戦える数少ない事業ドメインがIPとも言えまして、実際の事例も交えながら考察していきたいと思います。
株価考察
2022年4月期の通期決算では、
売上高 141億円
営業利益 42億円
営業利益率 驚異の約30%
と驚異の数字を誇っています。
市場の過熱による過剰評価ではなく、
実数字を積み上げた評価としての株価と言えます。
FY22 Q3では累計20億円超の当期純利益を出しており、
IPOに大きく貢献したと言えます。
数字から見た考察と主力事業
上場時の目論見書を考察すると、コマース領域の売上に対する広告宣伝費が非常に少ない事が分かります。
この最大の要因はYouTubeの存在です。
YouTubeの動画コンテンツ自体がプロモーションも兼ねている状態なので、
一般的なコマース事業とは異なりCPAをかけずに集客に成功しております。
コンテンツマーケ観点で言えば、非常に理想的な状態であると言えます。
そして、この特異性こそがANYCOLORの利益面における優位性を担保しているとも言えます。
ビジネスモデルと内訳
ANYCOLORの主なビジネスモデルとしては
ライブストリーミング、コマース、プロモーションの3つが挙げられます。
ライブストリーミング
ライブストリーミングに関しては所属ライバーのVTuberと投げ銭やグッズの収益や企業のプロモーションフィーなどを分け合う形でのビジネスモデルです。
そのほかにも広告のフロー収益と、月額料金でのメンバーシップにおけるストック収入もあり、安定的な経営に寄与しています。
コマース
ボイスを中心に展開しています。
ボイスはコスト面を考えると、デジタルコンテンツなので収益性が高くコマースの売上に大きく寄与しております。
また、クリエイター観点でも、受注後に顧客管理~発送までを個人のクリエイター自身が行うのは非常に負担が大きいという点を考えると事務所に所属するメリットは十分にあると言えます。
プロモーション
タイアップ
商品紹介などを含めたプロモーションにおけるタイアップ案件の実施の収益です。
具体的にLenoveゲーミングデバイスの配信など、各業種の企業との広告事業でのタイアップを行っています。
キャラクターという性質上、企業とのコラボもしやすく、炎上リスクも低い点やVTuberのエンゲージメントの高さがクライアントから好評である点はVTuberならではといえます。
IPライセンス
VTuberの使用ライセンスを企業に付与するIPライセンス事業です。
IPの保有企業としては定番ビジネスモデルとも言えます。
メディア出演
VTuberとしてのメディア出演における出演料です。
直近ではにじさんじライバーを俳優として起用するメディアミックス作品をKADOKAWAと発売するなど活動範囲を広げています。
その他
バーチャル・タレント・アカデミー
2021年6月には入学金、受講料が無料のバーチャル・タレント・アカデミーという養成所を開校しました。
ライバーのエンタメ性が配信事業の根幹を担っているので、積極的な人材投資を行っている象徴ともいえます。
今後の成長領域
会社の採用資料でも「僕らは、テクノロジーでエンタメを変える。」を名言しているように、今後もエンタメ×テック領域での躍進が期待されます。
そんなVTuer周辺の成長領域に関して考察していきたいと思います。
メタバース
メタバース×VTuberの取り組みとしては国内ではVARKというサービスが存在します。
過去にはVR空間上でホロライブのメンバーを横に据えて、ライブを楽しめる企画も開催されています。
また、メタバース空間で音楽配信をする事例も増加しています。
こちらの実態としてはアバターを用いた歌手の位置付けともいえます。
国内ではフジテレビがオンラインスペースのSPWNにてオンラインLIVEを開催しました。
こちらは「FNS歌謡祭」などのチームが制作に入るなど本格的なイベントのクオリティーで開催され話題を集めました。
また、ハローキティで有名なサンリオがSANRIO Virtual Fes in Sanrio Purolandを開催。サンリオピューロランドを仮想空間に構築し、空間における地下にてLIVEを開催するなどの事例もあります。
IPを活用したコングロマリット企業への道
メディア・コングロマリット化の可能性があります。
世界最大の事例としてはディズニーが良い例です。
アニメとテーマパークから始まったディズニーは今やメディアにおけるコングロマリット企業への進化を遂げました。
その後、ECやライセンス事業はもちろんゲームや出版などにも進出。
近年ではまだ採算が合わないですが、Disney+も開始しています。
IPを活用した横展開の世界的事例として、今後のANYCOLORも同様の道を辿る可能性は大いにあります。
特に日本のIPは世界で戦える数少ないビジネス領域でもあり、今後の展開が非常に注目されています。
事業リスク
ANYCOLORの事業リスクとしてはVTuberの独立が挙げられます。
しかし、実際には97%ものライバーが継続をしています。
つまり、ライバーの安定的な活動をサポートする体制ができているので、現状大きな事業リスクとしては挙げられません。
世界的なIPを共に創出する仲間を募集しています
pamxyでは110万人を超える『あるごめとりい』というYouTubeや18万人を超える『ミッドナイトムーン』(2023年1月27日現在)など、複数のIPを保有しております。
そして今後は、そういった既存IPを起点にVTuber領域で世界と戦えるIP創出に向けて本気で動いていきます。
VTuberというまさにエンターテックの中心地とも言えるドメインで、強力なIPを育てていきます。
また、未来的にはVTuberという枠を飛び越えて育てたIPを活用し、エンタメ×テクノロジー領域で大きな挑戦を行います。
日本を飛び越えて、世界に向けた事業を共に創っていきたいと考えている方、
少しでもご興味があればぜひ下のwantedlyの募集要項からお声がけくださいませ!